ジョブコーチ
(画像=はたらくBASE)

もし障害者雇用を考えるなら定着支援は必須です。障害者の離職率は非常に高く、特に精神障害者の場合、2人に1人は1年以内に退職してしまいます。 職場定着率を上げるジョブコーチ(職場適応援助者)の3つの種類その役割について紹介します。

目次

  1. 1.ジョブコーチとは
  2. 2.ジョブコーチ支援の対象者
  3. 3.3つの種類と役割
    1. 配置型ジョブコーチ
    2. 訪問型ジョブコーチ
    3. 企業在籍型ジョブコーチ
  4. 4.具体的な支援方法
  5. 5.おわりに

1.ジョブコーチとは

ジョブコーチ支援とは、障害者雇用の促進と仕事の定着を図るために、障害者・企業・障害者の家族に対して行う公的な支援のことです。

一般的にジョブコーチは、一定期間企業を訪問・常駐しながら障害者の円滑な就労を目指して、現場での支援や障害者が働きやすい環境作りを企業と協力して行っています。

ジョブコーチ支援は、障害者だけではなく、企業にとっても大きな役割を果たしています。企業の共通課題として、”採用後の定着”が挙げられます。日本の企業は障害者雇用の経験が少なく、障害者との協業や業務に不安を抱えていることから就労を定着させる環境が整っていないのです。

ジョブコーチは、そのような企業と障害者の間に立ち、障害者就業支援のプロとして支援を行う潤滑油のような役割を果たしています。

2.ジョブコーチ支援の対象者

ジョブコーチ支援の対象は、身体障害・知的障害・精神障害などを持った求職者や在職者の中で、支援が必要な障害者です。障害者手帳の有無は問われません。ただし、障害者と企業双方の同意が必要です。

また、障害者が支援を受ける条件として、ジョブコーチ支援終了後、勤務時間が週20時間以上になるよう目標を掲げることが必須となっています。

3.3つの種類と役割

ジョブコーチ支援の種類について紹介します。ジョブコーチ支援には、「配置型ジョブコーチ」「訪問型ジョブコーチ」「企業在籍型ジョブコーチ」の3種類があります。それぞれ見ていきましょう。

配置型ジョブコーチ

「配置型ジョブコーチ」は、各都道府県にあり、障害者の就職や復職をサポートしている地域障害者職業センターに所属するジョブコーチです。重度の障害を持ち、就職して働くことが難しい人を支援対象としています。

また、「訪問型ジョブコーチ」や「企業在籍型ジョブコーチ」といった他のジョブコーチと連携して支援を行う際は企業などに出向して助言や援助を行います。

訪問型ジョブコーチ

「訪問型ジョブコーチ」は、障害者の就労支援を行う社会福祉法人などに所属し、企業を訪問するジョブコーチです。

「高齢・障害・求職者雇用支援機構」または厚生労働省が実施している訪問型の「職場適応援助者要請研修」を受講し、必要相当の経験・適性を認められるとジョブコーチ支援の提供許可が下ります。

企業在籍型ジョブコーチ

「企業在籍型ジョブコーチ」は、障害者を雇用している企業に就職して支援を行うジョブコーチです。
「訪問型ジョブコーチ」とは異なり、”企業在籍型”の「職場適応援助者要請研修」を受講する必要があります。

また、訪問型と企業在籍型のジョブコーチ支援を行う事業所は、「障害者雇用安定助成金(障害者職場適応援助コース)」を受けることができます。

障害者雇用安定助成金(障害者職場適応援助コース)とは、職場適応・定着に課題を抱える障害者に対して援助を実施する企業に対して助成される支援金のことです。

今後、企業に対する障害者雇用の義務は厳しくなっていくことが予想されています。この助成金を利用して在籍型ジョブコーチを取得することで、職場での障害者の就労定着や環境づくり進められるのは大きなメリットといえます。

4.具体的な支援方法

企業が「配置型ジョブコーチ」の支援を受ける場合を例に挙げ、ジョブコーチ支援の具体的な支援手順を説明します。

  1. 支援計画書の策定
    地域障害者職業センターの障害者職業カウンセラーが、支援を希望している障害者や障害者を雇用している企業の状況を踏まえ、個々の状況に応じた支援計画書を作ります。

  2. ジョブコーチの派遣
    1で作成した支援計画書をもとにジョブコーチを派遣し、支援を開始します。

  3. 支援の実施
    ◎障害者への支援例
    ・仕事の適応支援
    (例)仕事のミスを減らし、効率化する助言
    ・職場内のコミュニケーション支援
    ・健康管理・生活リズムの構築

    ◎企業への支援例
    ・仕事内容や配置に関する助言
    ・障害特性に配慮した雇用管理
    ・障害者の理解に関する啓発や関わり方に関する助言

    ◎障害者の家族への支援
    ・家族にできるフォローなどに対する助言

  4. 段階に応じた支援の実施
    ジョブコーチ支援は、ジョブコーチが永続的に支援を行うのではなく、障害者を雇用している企業が自立して障害者の雇用を続けられるような仕組みを作っていきます。

    したがって、平均2〜4ヶ月の支援期間のうち序盤は集中的な支援を行いますが、徐々に支援の主体をジョブコーチから企業の担当者へと移行していきます。

  5. 支援終了後のフォロー
    支援終了後も必要があればフォローを行います。

5.おわりに

今回は、障害者の就労定着を図るジョブコーチ支援の3つの種類とその役割について紹介しました。

ジョブコーチ支援は、障害者の雇用が進まない企業にとっては非常に重要な役割を担っています。障害者雇用安定助成金などを活用し、ぜひジョブコーチ支援の導入を検討してみてください。