共同生活援助(グループホーム)
(画像=はたらくBASE)

グループホーム(共同生活援助)の種類についてご存じですか?
利用者の援助を行う点は同じですが、形態によって事業所数や障害種別が大きく異なります。
必要な設備や主な人員配置などを紹介し、開業を考えている人に役立つ解説記事です。

目次

  1. 1.グループホームとは
  2. 2.グループホームの利用者について
  3. 3.グループホームの種類
    1. 1.介護サービス包括型
    2. 2.外部サービス利用型
    3. 3.日中サービス支援型
    4. 4.サテライト型(ひとり暮らし)
  4. 4.グループホームを設立するには ①費用面
  5. 5.グループホームを設立するには ②手順
    1. ⑴法人を作る
    2. ⑵グループホーム(共同生活支援)の指定を受ける
    3. ⑶事業所指定を受ける
  6. 6.グループホームを設立するには③人員・設備基準
    1. ⑴人員基準
    2. ⑵設備基準
  7. 7.おわりに

1.グループホームとは

グループホーム(共同生活援助)とは、障害のある人が一軒家やアパートなどで支援を受けながら共同生活をするサービスです。

「世話人」や「支援員」と呼ばれる職員が利用者の食事の用意や入浴、トイレなどの介助といった日常生活上の援助を提供します。グループホームには、新築の場合は2人~10人、既存の建物の場合は2人~20人まで入居できます。

2.グループホームの利用者について

グループホームはどんな人が利用できるのか、また、どんな援助をしているのでしょうか。

グループホームを利用できるのは障害者総合支援法が定義する「障害者」に該当する人です。知的障害の方や、精神障害のある方の利用が多いといわれています。

「身体障害者」の場合は、65歳未満の方、または、65歳に達する前日までに障害福祉サービスやこれに準ずるサービスを利用したことがある人が利用できます。

障害者グループホームは自立を目指す福祉施設ですので、支援やサポートがあれば自分で生活を送ることができる人が対象になります。

具体的な利用者としては、

  • 単身での生活は不安があるため、一定の支援を受けながら、地域の中で暮らしたい。
  • 病院を退院、または、施設を退所して、地域生活へ移行したいが、いきなりの単身生活には不安がある。
  • 一定の介護が必要であるが、施設ではなく、地域の中で暮らしたい。
  • 知的障害者
  • 身体障害者
  • 精神障害者
  • 難病患者

などがあげられます。

それぞれの障害者グループホームによって対象となる障害は異なり、障害者手帳に加えて、障害支援区分の1~6に認定されていることも条件となります。

対象となる障害は障害者グループホームによって異なりますので、ケアマネージャーや市区町村の相談員に問い合わせして、対象の障害に含まれているかを確認しておきましょう。

3.グループホームの種類

グループホームには4つの種類があります。

  1. 介護サービス包括型
  2. 外部サービス利用型
  3. 日中サービス支援型
  4. サテライト型(ひとり暮らし)

各サービスの主な内容と対象の利用者について説明します。

1.介護サービス包括型

「介護サービス包括型」は、食事の用意や入浴、トイレの介助などの生活支援をグループホームの職員が提供します。障害支援区分が「4 / 5 / 6」などの障害が重い人が利用する傾向があります。

2.外部サービス利用型

「外部サービス利用型」は、入浴やトイレの介助などの身体介護をグループホームの職員だけで行うのではなく、外部のヘルパー事業所などから派遣された職員も交えて対応します。
障害支援区分が「1 / 2 / 3」などの障害が軽い人が利用する傾向があります。

3.日中サービス支援型

「介護サービス包括型」「外部サービス利用型」は夜間や休日を過ごすタイプのグループホームですが、「日中サービス支援型」は日中の時間帯もグループホームで過ごすことができるタイプのグループホームです。2018年に制度化されました。

このタイプを利用するのは、重度の障害のある人や高齢になった障害のある人です。利用者の障害状況や体調などにあわせた支援を行うため、グループホームに配置される世話人や支援員の人数が手厚くなっています。

4.サテライト型(ひとり暮らし)

「サテライト型」は、グループホームの近くにあるワンルームマンションなどで障害のある人が一人暮らしをするタイプです。グループホームを「本体」として、ワンルームマンションなどを「出先」と位置付けています。

外見上は一人暮らしですが、必要に応じてグループホームの世話人や支援員からの支援を受けることができます。このタイプは、グループホームを出て一人暮らしを目指す、中・軽度障害の人が利用する傾向があります。利用できる期間は原則として2年間です。

4.グループホームを設立するには ①費用面

ここまでグループホームの種類や利用者について見てきました。では実際にグループホームを開設するときどのような行動をとればよいのでしょうか。 「費用」「手順」「人員・設備基準」の3つの観点から解説します。

ゼロからグループホームを設立する場合、物件取得費、改装費用、人材確保費などを合わせて、だいたい800万~1100万円。就労継続支援A型事業所をすでに運営しており、新たにグループホームを設立する場合は500万~800万円といわれています。

障害者グループホーム設立の指定申請時には、登録免許税や国に納める手数料などがかかりますが、障害者グループホーム開設への支援費補助金などもあります。補助金の詳細については都道府県により異なるので、該当する地域の役所などで確認しましょう。

5.グループホームを設立するには ②手順

グループホームの設立をするためには大まかに3つの手順があります。

⑴法人を作る

障害福祉サービスは個人で行うことはできないので、障害者グループホームを開設するには法人を作る必要があります。

株式会社や合同会社、医療法人、社会福祉法人、NPO法人などが法人格です。個人では指定の申請を行えないことと、NPO法人格を取得する場合は都道府県で認証を受ける必要があることを覚えておくとよいでしょう。

⑵グループホーム(共同生活支援)の指定を受ける

法人を設立したら、障害者グループホームの指定を受けるための申請を行います。 自治体から指定を受けるには、さまざまな基準をクリアしなければなりません。主に確認するべき基準は次の3つです。

  • 人員基準
    グループホームを運営するにあたって必要な職員の基準です。 管理者、サービス管理責任者、世話人、生活支援員を決められた人数配置する必要があります。

  • 設備基準
    グループホームを開設するための物件は、利用者が安全に暮せるように厳格な要件が定められています。設置場所、最低定員、居室の広さなど場所の要件です。

  • 運営基準
    グループホームを運営するにあたって、それぞれの自治体の基準条例を守って運営するよう「運営規程」というルールブックを作成します。事業の目的、運営の方針、事業所の名称や所在地などを具体的に運営規定で定めます。

※人員基準、設備基準の詳しい内容については次の章で改めて解説します。

⑶事業所指定を受ける

指定を受ける基準が整ったら、認定に必要な指定申請書をそろえて指定申請を行います。指定申請は都道府県によって必要な書類が変わるので必ず確認しましょう。

また、申請時に不備があると受理してもらえない可能性も出てくるため、二度手間にならないよう事前に管轄の自治体に相談に行くことをおすすめします。自治体によっては本申請の前に事前協議が必要な場合もあるので、管轄自治体に確認しておきましょう。

6.グループホームを設立するには③人員・設備基準

人員基準と設備基準の詳細について解説します。

⑴人員基準

  • 管理者
    サービス提供に必要な知識及び経験を有する者として、常勤1名が必要です。運営や管理に支障がない場合は、生活支援員などの他の職務や他の事業所、施設等の職務に従事することが可能となっています。

  • サービス管理責任者
    利用者の数を30で除した数以上の配置が必要です。たとえば、利用者が60人いれば、サービス管理責任者は2人以上必要となります。常勤である必要はありませんが、常勤換算で0.5以上あることが望ましいです。

  • 世話人
    介護サービス包括型と外部サービス利用型は利用者6人に対して1人以上の配置が必要です。利用者1〜6人までは世話人1人以上、利用者7〜12人までは世話人2人以上と言う具合に配置していきます。

    日中サービス支援型はその割合が5:1で、利用者5人に対して1人以上の配置となっています。

  • 生活支援員
    生活支援員の人員配置は次の計算によって決められていきます。小数点第2位まで算出します。

    障害者区分次の①~④の合算した数以上
    (常勤換算方法)
    ①区分3の利用者数を9で除した数
    ②区分4の利用者数を6で除した数
    ③区分5の利用者数を4で除した数
    ④区分6の利用者数を2.5で除した数

    区分3の利用者数が5人、区分5の利用者数が4人いた場合には、
    (5 ÷ 9)+(4 ÷ 4)= 0.555...+ 1 = 1.555… ≒ 1.56
    となり、2人以上の配置が必要となります。

    外部サービス利用型は介護の提供を受託居宅介護事業所が行うため、配置の必要はありません。

  • 夜間支援従事者
    日中サービス支援型にのみ必要な人員で、夜間及び深夜の時間帯を通じて、共同生活住居ご とに夜勤職員1人以上の配置が必要です。

⑵設備基準

  • 立地
    障害者のケアを行う上で、従業員はもちろんのこと、家族や地域住民との交流機会は欠かせない要素です。そのため施設基準には、「利用者が家族や地域住民と交流を持つ機会が確保できる地域」であることが、グループホームの立地条件として挙げられています。

    条件として入所施設及び病院の敷地外が原則ですが、独立した建物であり、かつ、住宅地と同程度に利用者の家族や地域住民との交流の機会が確保される場合は敷地内でも可能です。

    自治体によっては、「半径○km以内に住宅が○軒以上」など、具体的な指標を提示している場合があるため、条件に該当するかどうかあらかじめ確認しておきましょう。

  • 居室
    「個室(1人一室)」を原則とし、その広さは、入居者の私物を収納するスペースに配慮した上で、床面積を7.43平方メートル以上(4.5畳以上)確保するものと定めています。なお、入居者に必要と判断される場合に限り、2名一室の設置が認められます。

  • 台所、便所、洗面設備、浴室
    10名を上限とする生活単位ごとに区分し、それぞれ配置することが定められています。また、ユニットの場合は居室のある階ごとに配置することとなっています。 「ユニット」とは、居室及び居室に近接して設けられる相互に交流を図ることができる設 備により一体的に構成される生活単位のことを言います。

  • 相互交流スペース
    居室に近接して設けられる相互に交流を図ることができる設備が必要です。食堂・ダイニング等で代用可能となっています。入居者が共同で利用する施設として、食堂、台所、便所、洗面設備、浴室、消防設備(スプリンクラー)など、日常生活に必要な設備を整備します。 必要に応じて段差解消工事や車椅子対応設備を導入する必要があるでしょう。

    また、各スペースの間取りを決める際には、利用者の動線と安全性に配慮しながら、死角ができないよう工夫する必要があります。なお、これらの共同施設は、従業員用の事務スペースや書類保管庫などと分離し、利用者の生活スペースとは別に確保すると規定されています。

7.おわりに

将来性が高い事業なのはもちろん、障害者の生活支援を行うことで社会貢献にも繋がるグループホーム。これからグループホームのニーズはますます高まるといえるでしょう。