「同行援護」事業所開設のポイント
(画像=はたらくBASE)

この数年で利用者が1.5倍も増えている同行援護。視覚障害者の外出をサポートするために本サービスを始めたいという方も多いのではないでしょうか。 事業に欠かせない資格や研修、実務経験等の詳細など、改正の激しい同行援護事業の最新情報をまとめました。

目次

  1. 1.同行援護とは
    1. 同行援護の支援内容
  2. 2.サービス受給の対象者・利用範囲
    1. 対象者
    2. 年齢・期間
    3. 利用料
  3. 3.サービス提供の条件
    1. ヘルパー
    2. サービス提供責任者
  4. 4.同行援護従業員養成研修
    1. 「一般課程(ヘルパー)」の科目一覧
    2. 「応用課程(サービス提供責任者)」の科目一覧
  5. 5.報酬について
  6. 6.終わりに

1.同行援護とは

同行援護は、移動が著しく困難な視覚障害者の外出を支援するサービスです。この支援は、ただ利用者が行きたい場所へ連れて行くのではありません。外出先の情報提供や代読・代筆等といった支援を通して、障害者の社会参加に重要な役割を果たしています。

同行援護の支援内容

同行援護の支援内容は以下の3つです。

  1. 外出時の移動に必要な情報の提供(代筆・代読を含む)
  2. 外出時の移動の援護、排泄及び食事等の介護
  3. その他外出に必要な援助

「同行援護」以外にも、自閉症等の行動障害がある方の自宅や外出先での支援をする「行動援護」や知的障害等を持った方の外出時の安全を守る「移動援護」など、1人での移動が困難な障害者を対象とした外出支援サービスがあります。

しかし、これらの3つのサービスは職場や学校への通勤・通学には利用できないので注意が必要です。

2.サービス受給の対象者・利用範囲

次に、サービスの対象者についてご紹介します。

対象者

同行援護アセスメント調査票において以下の両方を満たす方

  1. 移動障害欄が1点以上
  2. 「視力障害」「視野障害」および「夜盲」が1点以上

身体介護を伴う場合は、次のいずれかに該当する方

  1. 障害支援区分※1が区分2以上

  2. 「歩行」⇨「全面的な支援が必要」
    「移乗」⇨「見守り等の支援が必要」or「部分的な支援が必要」or「全面的な支援が必要」
    「移動」⇨「見守り等の支援が必要」or「部分的な支援が必要」or「全面的な支援が必要」
    「排尿」⇨「部分的な支援が必要」or「全面的な支援が必要」
    「排便」⇨「部分的な支援が必要」or「全面的な支援が必要」

※1 障害者区分とは?
障害者支援区分は、「非該当 / 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 」の7段階に分かれています。介護給付に関しては、障害者手帳の等級とは別に、障害者支援区分の判定結果によってサービス利用の可否が決められます。

年齢・期間

同行介護は、年齢の制限なく利用することができます。

一般的に、65歳以降は介護保険サービスが優先されますが、介護保険には外出を支援するサービスがないため、65歳以降も同行援護のサービスを利用することができます。 また、1年ごとに更新となりますので注意が必要です。

利用料

サービス費用は1割負担です。ただし、月の利用料負担額の上限は世帯収入によって定められています。

サービスの1割負担以外に、提供されるサービスの種類によっては、実費を負担しないといけない場合があります。

【参考例】

  • 生活介護、療養介護、就労移行支援、就労継続支援、自立訓練
     └食費等
  • 施設入所支援、グループホーム等
     └食費、光熱水費、日用品費、家賃等

3.サービス提供の条件

障害者の移動支援を行うためには、障害に関する専門的な知識や経験が必要です。

同行援護の場合は、利用者に必要なサービスを現場で提供する「ヘルパー」と利用者やケアマネージャーなど関係者との連携を行い調整を行う「サービス提供責任者」があり、これらは必要な要件が異なります。それぞれに必要な要件について見ていきましょう。

ヘルパー

A.同行援護従業者養成研修一般課程を修了した者 。
B.居宅介護職員初任者研修修了者等であって、1年以上の直接処遇経験を有する者 等

サービス提供責任者

A.同行援護従業者養成研修応用課程を修了した者。
B.介護福祉士、実務者研修修了者、介護職員基礎研修修了者、居宅介護職員初任者研修修了者等であって3年以上の実務経験がある者。

※サービス提供責任者は常勤ヘルパーのうち1名以上必要。

4.同行援護従業員養成研修

次に、同行援護従業者養成研修課程についてご紹介します。同行援護従業者養成研修には、「一般課程」と「応用課程」の2種類があり、それぞれの関係は以下の通りです。

「一般課程」⇨ヘルパー
「応用課程」⇨サービス提供責任者

「一般課程(ヘルパー)」の科目一覧

  • 講義項目(計12時間)
    「視覚障害者福祉サービス」「同行援護の制度と従業者の業務」「障害・疾病の理解Ⅰ」等
  • 応用科目(計8時間)
    「基本技能」「応用技能」

「応用課程(サービス提供責任者)」の科目一覧

  • 講義項目(計2時間)
    「障害・疾病の理解Ⅰ」「障害者の心理Ⅰ」
  • 演習項目(計10時間)
    「場面別基本技能」「場面別応用技能」「交通機関の利用」

5.報酬について

基本報酬は以下の通りです。
184(30分未満)〜611単位(3時間未満)
また、3時間以降30分増すたびに63単位加算されます。

また、同行援護にも報酬の加算があります。報酬の加算は、サービスの質の評価として設けられます。利用者が事業主を選択する際、この加算を重視している傾向もありますので、提供開始後も日々サービスの向上を意識し支援を行っていきましょう。

  1. 盲ろう者支援加算(25%加算)
    盲ろう者向け・通訳介助員が、盲ろう者に支援することを評価。
    ※盲ろう者とは、視覚障害者かつ聴覚障害者のこと

  2. 特定事業所加算(5%、10%又は20%加算)
    ①サービス提供体制の整備、②良質な人材の確保、③重度障害者への対応に積極的に取り組む事業所のサービスを評価

  3. 特定地域加算(15%加算)
    中山間地域等に居住している者に対して提供されるサービスを評価 ※中山間地域とは、農業地域類型区分のうち、中間農業地域と山間農業地域を合わせた地域のこと

  4. 喀痰吸引等支援体制加算(1日当たり100単位加算)
    特定事業所加算(20%加算)の算定が困難な事業所に対して、喀痰の吸引等が必要な者に対する支援体制を評価

  5. 区分3の者に提供したときの加算(20%加算)
    障害支援区分3の者への支援を評価

  6. 区分4以上の者に提供したときの加算(40%加算)
    障害支援区分4以上の者への支援を評価

6.終わりに

今回は、同行援護事業について事業開設のために欠かせない資格や、研修から実務経験、報酬等の詳細までご紹介しました。

同行援護に関する法律は頻繁に改正が行われており、事業を始める場合は常に最新の状況について理解しておく必要があります。 同行援護事業への参入を検討されている方は、今回ご紹介した様々な要件はもちろん、それぞれの障害特性を理解した上での支援技術の向上を目指していきましょう。