施設入所支援と強度行動障害
(画像=はたらくBASE)

施設入所支援に興味はあるけど疑問が多い。そんな方はいませんか?

施設入所支援って具体的になんだろう?グループホームとは何が違うの?強度行動障害の方を受け入れるには?継続的な支援が必要?今回は、そんなつまずきやすいポイントを解説します。

目次

  1. 1.施設入所支援とは
  2. 2.施設入所支援に関するQ&A
    1. グループホームとなにが違うの?
    2. 普段どんな支援をしているの?
    3. 施設入所支援の対象者は?
  3. 4.強度行動障害とは
  4. 5.強度行動障害者の入所支援の現状
  5. 6.終わりに

1.施設入所支援とは

施設に入所している障害のある方に対して、主に夜間において、入浴、排せつ、食事等の介護、生活等に関する相談・助言のほか、必要な日常生活上の支援を行うサービスです。 生活介護などの日中活動と併せて夜間等におけるサービスを提供することで、障害のある方の日常生活を一体的に支援します。

2.施設入所支援に関するQ&A

グループホームとなにが違うの?

グループホームは夜間に共同生活を営んでいる住居で、相談、入浴、排せつ又は食事の介護その他の日常生活上の援助を行います。施設入所支援はグループホームと同様の夜間サービスが中心ですが、デイサービスのような日中サービスも一体的に提供されています。

普段どんな支援をしているの?

施設入所支援では高齢者の介護とは違い、障害を持つ方の支援になりますので、その方の持つ障害に合わせた対応を行い、現在の生活をサポートする必要があります。

基本的に夜間に提供するサービスですが、業務内容は日中の生活介護とほとんど変わらず、入浴や排せつ、食事や着替えの介助、そして健康管理などが主な業務です。

ほかにも、利用者の就寝後に報告書などの事務作業をしながら、日中に使用した衣類の洗濯や、見守りを兼ねた巡回をしたり服薬を促したりします。

施設入所支援の対象者は?

厚生労働省で定められている対象者は次の通りです。

  1. 生活介護を受けている者であって障害支援区分が区分4(50歳以上の者にあっては区分3)以上である者

※障害支援区分とは、障害の特性や状態に応じて必要な支援を総合的に判断したものです。区分は1〜6まであり、数字が上がるにつれて支援の度合いも高くなります。

  1. 自立訓練、就労移行支援又は就労継続支援B型の利用者のうち、入所させながら訓練等を実施することが必要かつ効果的であると認められる者又は通所によって訓練を受けることが困難な者

  2. 特定旧法指定施設に入所していた者であって継続して入所している者、又は地域における障害福祉サービスの提供体制の状況その他やむを得ない事情により通所によって介護等を受けることが困難な者のうち、(1)又は(2)に該当しない者、もしくは就労継続支援A型を利用する者

  3. 平成24年4月の改正児童福祉法の施行の際に障害児施設(指定医療機関を含む)に入所していた者であって継続して入所している者

生活介護では特に支援が必要な重度障害者(障害支援区分6に該当する)も対象になります。しかし、重度障害者の中でも強度行動障害者の支援施設入所には大きな課題があります。

以下の章では強度行動障害者の説明と受け入れの現状について解説いたします。

4.強度行動障害とは

強度行動障害とは、自傷行為や物を壊すなど周囲に影響を及ぼす行動が多く、家庭でかなりの努力をして育てても難しい状態が続き、特別な支援が必要な状態のことを指します。

強度行動障害は、興味関心の限定やこだわり、それに対する過度な執着性や感覚の過敏性といった障害特性に環境がうまく合ってないことにより、人や場に対する嫌悪感や不信感を高めてしまうことが原因です。

特に重度の知的障害や自閉症スペクトラムがある人に発生することが多いと言われていますが、必ずしも障害の重さに関係があるわけではなく、特性と環境によっては、知的障害・発達障害の度合いが軽度の場合でも強度行動障害が見られることがあります。

〈強度行動障害の例〉

  • 自傷行為
  • 他人への暴力
  • 激しいこだわり
  • 破壊行為など

障害がある本人の特性や周囲の環境などをきちんと把握し、行動の原因を探るのはもちろん、継続的な支援をしていかなければなりません。

5.強度行動障害者の入所支援の現状

強度行動障害をもつ方は、上記にあげたような危険を伴う行動を頻繁に示す特徴があり、現状では事業所の受入れが困難です。また、受入れ後の不適切な支援により、利用者に対する虐待につながる可能性も懸念されています。

一方で、施設等において適切な支援を行うことにより、他害行為などの危険を伴う行動の回数が減少するなどの支援の有効性も報告されており、強度行動障害に関する体系的な研修が必要とされています。

強度行動障害者支援を行うため、平成25年度に支援者に対する研修として、強度行動障害者支援者育成研修事業が都道府県地域生活支援事業の一つに盛り込まれました。

研修の指導者を育成するための研修を独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園で実施しています。

強度行動障害者支援者育成研修事業
(画像=厚生労働省 生活介護・施設入所支援の共通事項について)

しかし、生活介護事業所の職員の研修完了率は、該当なし(無回答)が48.9%とほぼ半数を占めており、「強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)」が16.4%、「強度行動障害支援者養成研修(実践研修)」が8.8%となっています。

また、障害者支援施設の職員の研修修了者は、「強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)」が平均8.5人、「強度行動障害支援者養成研修(実践研修)」が平均4.1人となっており、まだ支援体制が整っているとは言えません。

6.終わりに

強度行動障害は適切な支援を行うことにより改善します。福祉事業所は強度行動障害支援に限らず、継続的な支援を行っていかなければなりません。

福祉事業を始めようと思っている方や、研修を受けようと思っている方は、この記事をご参考ください。