どうすればいいの?就労継続支援における事業選びと業務の作り方
(画像=ひふみよBASE)

目次

  1. 1.はじめに
  2. 2.就労継続支援とは?
    1. 就労継続支援について
    2. 就労移行支援について
    3. 就労支援の利用者数
  3. 3.就労継続支援と工賃向上
    1. 工賃向上におけるポイント
  4. 4.就労継続支援における業務の作り方と事業選び
    1. 業務の作り方について
    2. 事業選びについて
  5. 5.おわりに

1.はじめに

農福連携などで注目を集めている就労継続支援。
参入を検討している方も多いのではないでしょうか?
この記事では、「どんな業種で始めればいいの?」「どのような仕事をお願いすればいいの?」といった疑問解決のためのヒントを紹介します。

2.就労継続支援とは?

就労継続支援について

就労継続支援とは、通常の事業所に雇用されることが困難な障害者に対し、働く場所を提供するとともに、生産活動の機会を通じて、その他の就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練を行う事業の事です。

就労継続支援には、障害者の方と雇用契約を結ぶ「A型」と、雇用契約を結ばない「B型」の2種類があります。

就労移行支援について

障害者の方への就労支援には「就労移行支援」もあります。
就労継続支援とは異なり、通常の事業所に就労が見込まれる障害者が対象です。

生産活動を通した就労に必要な知識及び能力の向上の支援だけでなく、求職活動への支援や適性に応じた職場の開拓支援などを行います。

就労支援の利用者数

現在日本には、障害者の方が約964万人おり、その中で就労支援を受けている人は約37.5万人います。
内訳は以下の通りです。
就労移行支援 約3.4万人
就労継続支援A型 約7.2万人
就労継続支援B型 約26.9万人 (令和2年3月時点)
(出典元:厚生労働省ホームページ「障害者の就労支援対策の状況」)

就労継続支援を受けている人は、就労支援を受けている方の中でも多くの割合を占めており、必要性の高い事業であることが分かります。

就労継続支援についての詳しい記事はこちら
「就労継続支援A型」とは?内容から開設の流れをわかりやすく解説
「就労継続支援B型」とは?制度の仕組みから開設の流れまで解説

3.就労継続支援と工賃向上

就労継続支援において、就労者の工賃向上が急務です。
厚生労働省でも、平成19年~23年にかけて工賃倍増5か年計画を立て様々な取り組みがなされてきました。

取り組みにより、少しずつですが平均工賃は上昇しています。しかし、現在の平均工賃はA型で78975円、B型で16369円と、一般の就労者に比べて格段に低い水準です。(平成31年度)
(出典元:厚生労働省ホームページ「障害者の就労支援対策の状況」)

就労継続支援事業を行うに当たって、工賃向上は切っても切れない関係と言えます。

工賃向上におけるポイント

厚生労働省は、工賃向上のポイントとして以下のことを上げています。

工賃向上に向けた取り組みに当たっては、作業の質を高め、発注元の企業の信頼獲得により安定的な作業の確保、ひいては安定的・継続的な運営に資するような取り組みが重要である。具体的には、経営力育成・強化や専門家による技術指導や経営指導による技術の向上、共同化推進のための支援の強化・促進を図ること。(平成29年度)
(出典元:厚生労働省ホームページ「障害者の就労支援対策の状況」)

まとめると、
①作業の質を高め、発注元の企業から信頼を獲得し、安定的な作業を確保すること
②安定的・継続的な運営のため、経営力を向上させること
の2点が重要だとわかります。

4.就労継続支援における業務の作り方と事業選び

業務の作り方について

就労継続支援の業務作りにおいて、どのようなことを押さえればいいのでしょうか?
ここでは、就労継続支援における業務の作り方について解説します。

就労継続支援における業務づくりのポイントは、「障害者のハンディを前提に、業務をブレイクダウンすること」です。(ブレイクダウンとは、業務をそれぞれの過程に分解していくこと)
少し分かりづらいので、具体例を出して説明します。

就労継続支援と相性が悪そうに見える「デザイン」を例に見ていきましょう。
デザインの業務を分解すると以下のようになります。
①依頼主のデザインにおけるニーズをヒアリングする
②ヒアリング結果をもとに、市場のデータやデザインの例を調査する
③調査をもとに、デザイン案を作成する

障害者の方は、枠組みがしっかり決まった業務が得意なことが多いので、この中で就労継続支援に向いているのは②になります。
この部分を障害者の方に依頼することで、デザイン事業を就労継続支援として行うことができます。

デザイン以外の事業においても、業務を分解し、就労者の方のハンディを考慮して適切な業務を見つけることが、就労継続支援においての業務作りのポイントです。

また、就労者に適切な業務を見出すことは、工賃向上において重要であった「業務の質の向上」にもつながります。

事業選びについて

就労継続支援において事業は何を選べばいいのでしょうか?
最近だと「農福連携」をイメージするかもしれません。
農業従事者の減少を食い止める意味でも、最近就労継続支援事業として注目されています。
農福連携以外に、どのような事業があるのでしょうか?

就労継続支援における事業例
「ITで多様な働き方を実現」
IT×就労継続支援(NPO法人札幌チャレンジド

「FC 加盟でブランド戦略・ノウハウ・仕入れ先等の 弱みを補填」
フランチャイズ×就労継続支援(株式会社オーガファーム

「障害者の経済的自立を実現する社会を目指して」
デザイン×就労継続支援(ひふみよ株式会社

「内製化で立て直した緊張感ある職場が清掃員としてのプライドを形成」
清掃×就労継続支援(済生会熊本福祉センター

就労継続支援では難しいと言われていた、クリエイティブな事業や先進的な技術を用いた事業でも、就労継続支援における事業例の業務の作り方を用いれば、就労継続支援として実施することができます。

工賃向上に向けて自社の強みや市場規模も参考にしながら、就労継続支援ではできないかもという概念を外して、事業を選びましょう。

5.おわりに

この記事では就労継続支援における業務作りと事業選びについて解説してきました。就労継続支援における業務作りのポイントを押さえることで、今まで難しいと言われてきた事業も就労継続支援事業として行うことができるかもしれません。
近年注目を集めており、必要性の高い就労継続支援。この記事を参考に、ぜひ参入を検討してみてください。