介護サービス事業の指定申請
(画像=はたらくBASE)

介護サービス事業を運営するには介護保険法に基づき事業者として指定を受ける必要があります。
しかし、指定申請について調べ申請までこぎつけても審査が下りなかったら水の泡です。
注意点を知り、間違いや不備がなく成功につながるための手順をまとめました。

目次

  1. 1.指定申請と介護の指定要件
  2. 2.指定要件の前提条件
    1. 欠格要件の確認
    2. ①法人基準
    3. ②人員・設備・運営基準
  3. 3.指定申請するための準備
  4. 4.指定申請の手順
  5. 5.おわりに

1.指定申請と介護の指定要件

指定申請とは、訪問介護や通所介護など介護サービス事業の開業を行うにあたり、都道府県や市区町村などに届け出て介護事業者としての指定を受けることです。

その際、指定要件となる人員基準、設備基準、運営基準など介護サービス事業に必要な基準を満たしているかを確認されます。また、事業者の介護サービスの質や悪質な事業継続を防ぐため、指定申請には6年間の有効期限が設けられていて、更新には申請が必要になります。

2.指定要件の前提条件

ここでは、指定されるための4つの要件と、実際に指定申請を行う前に確認が必要な「欠格要件」について解説していきます。

まず、指定申請を受けるための4つの要件は以下の通りです。

  1. 法人であること(法人基準)
  2. 人員条件(人員基準)
  3. 設備条件(設備基準)
  4. 運営条件(運営基準)

欠格要件の確認

次に欠格要件です。指定されるための条件を満たす準備を始める前に、「欠格要件」を確認しておきましょう。「欠格要件」とは、指定申請を行う法人が一定の事項に当てはまった場合に介護事業所の開設が認められなくなる要件のことです。

  1. 申請する法人と密接な関係を有する者が、指定を取り消され、その取消しの日から起算して5年を経過していないとき。

  2. 申請する法人が、労働に関する法律の規定であって政令で定めるものにより罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者であるとき。

これらは基本的に初めて申請を行う事業主には関係ありません。しかし、念の為に申請手続きを始める前に確認しておくことをお勧めします。

①法人基準

それでは、指定要件の「法人基準」を見ていきましょう。介護サービス事業の申請には、法人格が必須です。法人格の種類は問いませんが、組織の活動の根本規則を記した書面である「定款」に、申請を行う介護サービス事業についての記載があり、法人が行う事業として位置づけられていることが必要です。

②人員・設備・運営基準

次に、人員・設備・運営に関する基準を紹介していきます。提供するサービスの種類によって違いがあります。今回は、訪問介護を例に解説します。

訪問介護の場合
<人員要件>

  • 1事業所毎あたり常勤管理者1人。サービス提供責任者と兼務可能

  • 訪問介護員10人毎に1人、または事業所の月間延べサービス提供時間450時間毎に1人常勤のサービス提供責任者(資格条件あり)を配置

  • 1事業所あたり訪問介護員を常勤換算2.5人以上

※常勤換算とは、すべての従業員の労働時間を足し、フルタイムの労働時間で割ることで、「常時何人で働いているか」を示す指標のことです。

<設備基準>

  • 利用申込の受付、相談等に対応できる事務室
  • 指定訪問介護に必要な設備及び備品等を確保する。特に、手指を洗浄するための設備等感染症予防

<運営基準>

  • 正当の理由のないサービス提供拒否の禁止
  • 受給資格の確認、身分を証する書類の携行
  • 利用料の受領
  • 保険給付の請求のための証明書の発行
  • 記録の保管
  • 利用料の受領

サービスによって求められる各項目の基準は異なるため、ご自身に必要な要件を調べて、指定申請の準備を進めてください。

3.指定申請するための準備

ここからは指定申請に必要な書類について解説します。まず、書類の提出先と担当部署を必ず確認しましょう。取り扱う資料によって、担当の管轄が異なり、一部の市町村には都道府県から権限が委譲されている場合があるからです。

それでは、添付書類について見ていきましょう。提供するサービスによって添付書類に多少の違いはありますが、主だったものを紹介します。

  • 指定申請書
  • 指定に係る記載事項
  • 誓約書
  • 有資格者の資格証の写し
  • 就業規則
  • 従業者の資格証の写し
  • 就業規則
  • 従事者の勤務体制及び勤務形態一覧表
  • 人員基準確認表
  • 管理者名簿と管理者の経歴事業計画所
  • 事業所の平面図、外部と内部の写真
  • 備品一覧

これらの書類を通して、人員基準、運営基準、設備基準が満たされているか確認が行われます。 また、上記以外にも必要な書類はあるので、指定申請の準備を始める際には確認しなければなりません。

指定申請は6年後に更新をする必要があります。 更新をする際は、初回の申請に比べて添付書類は少なくなります。詳細は以下の通りです。

  • 更新申請書
  • 指定に係る記載事項
  • 誓約書
  • 役員名簿
  • 事業所一覧
  • 従事者の勤務体制及び勤務形態一覧表(前月分)
  • 人員基準確認表
  • 更新申請手数料

更新申請をするためには、これらの書類を有効期限の日程より前に提出し、更新を済ませておかなければなりません。

4.指定申請の手順

最後に、指定申請のスケジュールを確認していきましょう。

【3ヶ月前〜2ヶ月前】
事前相談・指定前研修の申し込み

※指定前研修は、介護保険法に基づく訪問介護事業を立ち上げる前に、コンプライアンスやサービスの提供方法、申請書類の作成方法などの指導を行う研修です。新規申請では必須です。

【2ヶ月前〜申請手続き】
指定前研修の受講・申請手続き

まずは、法人の代表者または申請を行う事業所の管理者が指定前研修を受講しましょう。受講後、必要書類を担当部署に申請の予約を行った上で提出します。申請の受理は面談形式で行われ、提出書類に不備がないかなど確認しながら行われます。

【手続き終了後】
申請受理を受けた翌月末までに審査が行われます。
審査に合格すれば、通知書が送付され翌月1日から6年間指定されます。

5.おわりに

今回は指定申請の注意点や流れについてご紹介しました。指定申請には、多くの提出資料や添付書類が必要となり、注意しなければいけない点も多くあります。新規で事業参入を検討されている方は最新の注意を払って準備をしてください。