就労継続支援事業所開設、物件のポイント
(画像=はたらくBASE)

就労継続支援事業所を開設するにはそれに見合った建物も大事です。綺麗で立派な建物でも設備や消防法など基準をクリアしないと指定が下りません。この記事を読んでそれらの基準を知ることで適切な物件を探すことができ、事業所開設もスムーズにいきます。

目次

  1. 1.指定申請とは
  2. 2.就労継続支援事業所のための物件探し
    1. ①立地
    2. ②設備基準
    3. ③建物
  3. 3.消防法・建築基準法について
    1. ①消防法
    2. ②建築基準法
  4. 4 .おわりに

1.指定申請とは

いざ福祉事業所を開設しようとするときにやらなければいけないこと。それは「指定申請」です。

就労継続支援事業所を開設するには、介護保険事業者として決められた指定基準を満たし、国から指定を受ける必要があります。そのための申請を「指定申請」といい、都道府県または市町村に「事業所指定申請」を届け出る必要があります。

指定申請には、大まかに「人員基準」「運営基準」「設備基準」の3つがあり、これらを全てクリアしなければ事業所を開設することができません。

この記事では、3つのなかでも「設備基準」にスポットを当てて解説していきます。 指定申請の詳しい内容についてはこちらに記載してありますので、ぜひ確認してみてください。

参考リンク:https://hataraku-base.jp/archives/20

2.就労継続支援事業所のための物件探し

事業所を開設するにあたって気をつけなければならないポイントがいくつかあります。 項目別に見ていきましょう。

①立地

就労継続支援事業所を設置にするには、利用者の交通の利便性や事業所での過ごしやすさを吟味する必要があります。また、以下の内容にも気をつけなければいけません。

  • 事業所を必要とする人がいる地域であるか
  • 近くに競合となるような事業所・施設がないか
  • 事業所までの交通のアクセスはよいか
  • 送迎サービスを行う場合、駐車場を確保できるか
  • 設備基準を満たすのに十分な面積があるか
  • 設立したい地域が都市計画上の営業規制区域でないか

②設備基準

事業を行うためには以下のような設備、備品などが必要になります。

  • 訓練・作業室
    指導訓練室は、利用者さんが作業や訓練を行うスペースです。

    訓練・作業室の広さは、省令基準では「訓練または作業に支障がない広さを有すること」と定められており具体的な面積の基準はありませんが、市町村ごとに面積の指定があり、多くの市町村が利用者1人あたり3.0㎡以上としています。

    20人定員の場合は60㎡以上の広さが必要です。詳しくは開設予定の市町村の基準をご確認ください。

  • 相談室
    利用者さんが職員へ就労に関する悩みや不安を相談するスペースです。プライバシーに配慮した空間作りをしなければいけません。

  • 多目的室
    食事・休憩・作業以外の時間帯に利用するスペースです。相談室を利用する利用者さんのプライバシーが守れる空間作りができている場合は、相談室と兼用が可能です。

  • 洗面所
    利用者の利便性と衛生面を考慮した設備を整えなければなりません(自動水栓、石けん及びペーパータオルの設置など)。

  • トイレ
    利用者さんに合わせた設備が必要です。 設備、備品に不安や疑問がある場合は、必ず専門家または指定行政庁に確認しましょう。

③建物

良い立地を見つけて設備の準備ができても、その建物が消防法や建築基準法の基準を満たしていなければ事業所として使用することはできません。次の章で詳しく見てみましょう。

3.消防法・建築基準法について

①消防法

就労継続支援事業所の建物は消防法令上、消防用設備の設置基準が厳しい特定防火対象物に指定されています。主に必要な設備は以下の通りです。

消火器延べ面積150㎡以上
屋内消火器設備延べ面積700㎡以上
スプリンクラー設備延べ面積6,000㎡以上
自動火災報知設備全室
(入居・宿泊させるもの)
延べ面積300㎡以上
(通所型のもの)
漏電火災警報器延べ面積300㎡以上
火災通報装置延べ面積500㎡以上
非常警報設備収容人数50人以上
避難器具20人以上
誘導灯全部

なお、テナントビルや共同住宅の1階店舗部分に入居する場合、建物全体の規模や用途によって他の消防設備が必要となる場合があります。事前に物件所在地の消防署予防課で確認しましょう。

②建築基準法

就労継続支援事業所の建物は建築基準法の基準を満たしている必要があります。 建築基準法に準じている建物は完了検査を受けています。既存の物件を利用する際は、物件が建築当時に工事完了後の完了検査を受けていることを確認しなければなりません。

完了検査を受けているかどうかの確認は検査完了後に交付される「完了検査済証」で確認できます。

「完了検査済証」がなかった場合
物件所在地の建築確認所管行政庁で検査済証の交付の有無を確認しましょう。

また、店舗や住居として使用されている既存物件を事業所として使用する場合には、「用途変更」という建築確認申請が必要です(床面積が200㎡以上の場合)。

4 .おわりに

就労継続支援事業所のような福祉事業所の設立は要件が難しく、作成しなければならない書類も膨大です。ですが、就労継続支援事業所をはじめとした福祉事業所を必要としている人はたくさんいます。

困っている人を助けたい、地域住民に貢献したいという方はやりがいを感じられるのではないでしょうか? 事業所開設の第一歩としてこの記事をご参考ください。